ポリウレタン繊維(エラスタン繊維)、ナイロン繊維、それぞれの違い
着圧ソックスなどの素材に使われる「ポリウレタン繊維」や「ナイロン繊維」
言葉は知っているけど、どんなものかはよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、それぞれの特徴や違いを紹介いたします。
エラスタン繊維とは
エラスタンとは、ポリウレタンのヨーロッパ名。つまりエラスタン繊維とポリウレタン繊維は同じものです。
繊維メーカーや地域によって呼び名が変わり、日本では東レが「オペロン」、東洋紡が「エスパ」、旭化成が「ロイカ」、日清紡は「モビロン」と呼んでいます。
コットンと混紡して衣類に使用されることがおおく、ストレッチ製が高いことや染色も可能なことから、ファッション服地に用いられるようになりました。
近年では、伸縮性の高さからスキニーなどによく使用されている素材です。
ポリウレタン繊維の特徴
ポリウレタンの特徴は大きく4つあります。
・伸縮性がある
・軽い
・しわができにくい
・ほかの繊維と混ぜても使うことができる
ポリウレタンの最も大きな特徴として、ゴムのような伸縮性があることが挙げられます。
伸ばしたときの長さは元の長さの5~7倍になることもあり、また、元の形状に戻りやすいため伸縮性が失われにくくしわができにくいとされています。
重さは非常に軽く、綿よりも軽く仕上げることが出来るので、スポーツウェアによく使用されています。
ポリウレタン繊維の短所
温度や湿度の変化に対しては弱く「経年劣化」が避けられません。
ポリウレタンを生地に使用した衣類の寿命は2~3年と非常に短く、長期間着用するには不向きな素材となります。
ナイロン繊維の特徴
・磨耗、摩擦に強い
・耐薬品性に優れている
・変形に強い
ナイロンは化学繊維のうち、石油を原料とした合成繊維のひとつ。
他の合成繊維にくらべても磨耗や摩擦に強いという性質を持ち、繰り返しの折り曲げにも耐えられる素材です。
速乾性に優れ、カビや虫害とも無縁。
また耐薬品性に優れるとともに、海水や油にも強く、適度に伸びがあり、形が崩れにくい素材です。
ナイロン繊維の短所
紫外線や日光照射によって生地が黄ばんでしまう事があります。
酸性に弱い性質をもつので、少しの酸で溶けてしまうこともあります。
価格はやや高めです。
ポリエステルとナイロンの違い
ポリエステルとナイロンは、一見すると違いはほとんどありませんが、強度はナイロンの方が摩耗に強く、長く使える素材です。
一方、伸縮性はポリウレタンの方が優れており、着用時のフィット感は、ポリウレタンのほうが高いです。
そのため、水着などの直接肌に触れるものは、ポリウレタンの配合率が高いものを選ぶと伸びもあるため快適です。
ナイロンはシルクに似た肌触りのため、着心地を優先する場合は、ナイロンが多く配合されているものを選ぶと良いでしょう。
ただし、生地は他の素材との配合で仕上がりが全く異なってくるので、素材単体だけでの比較は難しいといわれてます。